Data Center アップグレード ガイド

Cloud と Data Center を評価する

最初のステップとして、Data Center と Cloud を評価して、組織に最適なオプションを見つけることをお勧めします。多くの大規模顧客にとって、Cloud Enterprise は最適です。ユーザー制限の増加、高度な管理制御、組み込みのセキュリティ機能とコンプライアンス機能を提供します。

パーソナライズされた推奨事項については、アトラシアンの移行アセスメントを受けてください。要件についていくつか質問した後に、最適な経路をお勧めします。

Cloud と Data Center 比較ガイドは、機能を並べて比較して、ユース ケースに基づいてどのオプションを選択するかについてのガイダンスを提供する、優れたリファレンスでもあります。

アーキテクチャとインフラストラクチャの要件を理解する

Data Center に決めましたか? サポートされている Data Center アーキテクチャとデプロイ構成について、ご確認ください。

Data Center は、非クラスタまたはクラスタでデプロイできます。どちらの方法でもエンタープライズ機能をご利用いただけますが、検討すべき事項が異なります。下表は、非クラスタ アーキテクチャとクラスタ アーキテクチャの違いを示しています。

サーバー製品と Data Center 製品の違いを確認する

Data Center が提供する機能にはすでによく知られたものがあるかもしれませんが、それ以外にも、追加機能をビルドして多くのサーバー機能の機能を拡張してきました。サーバーと Data Center の違いをご確認の上、クラスタ化されたアーキテクチャが必要なご利用いただける新しい機能をご確認ください。

• Jira Server と Data Center の機能の比較
• Jira Service Management Server と Data Center の機能の比較
• Confluence Server と Data Center の機能の比較
• Crowd Server と Data Center の機能の比較
• Bitbucket Server と Data Center の機能の比較

クラウド プロバイダーについて

AWS (アマゾン ウェブ サービス) や Microsoft Azure などのクラウド ベンダーへのデプロイは、組織にとっては慣れない作業である場合があります。クラウド ベンダーを使用する場合は、事前に次の作業を行うことをお勧めします。

• Data Center 製品のデプロイとアーキテクチャの要素を理解する
• Ansible Chef、Puppet、Salt など、さまざまな構成管理ツールの詳細を見る。

AWS と Azure はどちらも、プラットフォームの理解に役立つトレーニング コースを提供しています。必須ではありませんが、チームの誰かを認定ソリューション アーキテクトにすることも有益です。詳細については、参考になるリソースをいくつか紹介します。

• AWS トレーニングと認定資格
• Azure トレーニングと認定資格

このジャーニーの最も重要な要素の 1 つが、適切なチームを構築することと、それをできる限り早く実施することです。クラスタ化されたアーキテクチャへのアップグレードは、組織全体の複数のチームに影響を与えて、全員の共同での取り組みが必要です。

プロジェクト チーム構築後、共有された目標に合わせてチームの足並みを揃え、同意された目標日でスケジュールを立てることが重要です。

チームに含めるべき役割とメンバーの人数について、決定的な答えはありません。ただし、チームの構築に当たっては以下の専門領域を考慮することが重要です。

サーバー インスタンスの確認とインフラストラクチャの最適化

選択した Data Center のデプロイ方法 (非クラスタまたはクラスタ) にかかわらず、サーバー インスタンスを確認し、移行中に最適化したい領域があるかどうかを把握してください。

アプリをアップグレードする

インスタンスに Server アプリがインストールされている場合は、ここで各アプリの Data Center 承認バージョンにアップグレードする必要があります (利用可能な場合)。アプリをアップグレードする前に Data Center 製品をアップグレードすると、動作が停止する可能性があります。

製品ライセンスをアップグレードする

非クラスタ環境で Data Center にアップグレードするのは非常に単純であり、クラスタが不要なエンタープライズ機能をすぐに使用できます。

アップグレードするには、Server 製品の管理セクションに移動して、新しい Data Center ライセンス キーを入力します。必要に応じて、後で戻ってクラスタリングをセットアップできます。

非クラスタ化アップグレードに関する製品別のガイドについては、次のドキュメントをご参照ください。

• Bitbucket Data Center にアップグレード
• Crowd Data Center にアップグレード
• Confluence Data Center にアップグレード
• Jira Data Center にアップグレード

ロードバランサー

ロード バランサーは、クラスタでデプロイする場合にユーザーの要求が最初に到達する部分です。要求がロード バランサーに到達すると、ロード バランサーは各要求をアプリケーション ノードに分散します。ハードウェアまたはソフトウェア ベースのロード バランサーを使用できます。ソフトウェアとハードウェアのどちらのソリューションでも、高速 LAN 接続を使用してロード バランサーをアプリケーション クラスタに接続し、広帯域幅と低レイテンシを確保する必要があります。すべてのソフトウェア ロード バランサーは専用のマシンで実行する必要があります。

Data Center 製品は、セッションの間、各ユーザーのリクエストが同じノードに送信されると想定しています。リクエストが別のノードに送信されると、ユーザーが予期せずログアウトしたり、セッション内で保存された情報が失われたりすることがあります。そのため、ロード バランサーでは Cookie ベースの 「スティッキー セッション」 (セッション アフィニティ) を有効にして、セッションを同一ノードにバインドする必要があります。Cookie ベースのスティッキー セッションを使用すると、製品で発行された Cookie を使用したり、ロード バランサーで生成された Cookie を使用したりすることができます。

ロード バランシング ソリューションに冗長性を加えて、保護レイヤーを追加し、ロード バランサーが単一障害点にならないようにします。そのためには、アクティブ/パッシブ構成内に 2 つのロード バランサーを設定します (両方のロード バランサーで 1 つの仮想 IP アドレスを使用)。アクティブ側のロード バランサーで障害が発生した場合は、パッシブ側のロード バランサーにフェイルオーバーします。

詳細については「ロード バランサー設定オプション」をご参照ください。

アプリケーション ノード

アプリケーション ノードとは、実際に製品が稼働する場所です。レイテンシを最小限に抑えるため、Data Center クラスタ内の各ノードは、製品の同じバージョンで動作して同じ場所に置かれる必要があります。ただし、地理的に分散したチームのパフォーマンスは、コンテンツ デリバリ ネットワーク (CDN) によってサポートできます。これらのノードは、ユーザーに製品を提供するため、1 つのクラスタにおいて 1 つのノードとして機能するように設定されます。クラスタ内のノードの数は、ニーズや製品の構成方法によって異なります。通常、ほとんどのクラスタでは 2 - 4 ノードで十分ですが、適切な数を判断するためにノード サイズ ガイドをご利用ください。

共有ファイル システム

共有ファイル システムには、任意のアプリケーション ノードからアクセスできる必要があるデータ (添付ファイル、git リポジトリなど) が保存されます。

Data Center 環境では、共有ファイル システムを独自のノードとしてセットアップする必要があります。共有ファイル システム用の NFS ベース NAS または SAN プログラムを使用することもできますが、パフォーマンスを維持するため NFS3 を推奨します。DFS などの分散プロトコルはサポートされていないため、使用しないでください。

アプリをアップグレードする

インスタンスに Server アプリがインストールされている場合は、ここで各アプリの Data Center 承認バージョンにアップグレードする必要があります (利用可能な場合)。アプリをアップグレードする前に Data Center 製品をアップグレードすると、動作が停止する可能性があります。

Data Center のテスト

テスト フェーズは、クラスタ化された Data Center インスタンスをデプロイするための、基本の集中ステップです。Data Center を本番環境に自信を持ってデプロイするには、チームが機能テスト、統合テスト、パフォーマンス テストを繰り返し実施して、Data Center インストールを徹底的に検証する必要があります。

手間を惜しまないでください。テスト フェーズを徹底することで本番デプロイが成功しやすくなり、予期せぬ状況にも対応できるようになります。稼働を開始できるかどうかの確信が持てるまで、必要に応じてユーザー受け入れテスト (UAT) を複数回実施してください。

以下の Data Center 製品のパフォーマンスの詳細を参照してください。

• Jira Software Data Center と Jira Service Management Data Center
• Bitbucket Data Center
• Confluence Data Center
• Crowd Data Center